双六小屋には14時15分ごろの到着。
山小屋に入るにはちょうどいい時間です。そしてここは過去2回宿泊経験のあるすごくいい小屋。
設備がよい、食事もよい、スタッフも親切。
「ここで泊まりたい」
本心はそうですが、何やらものすごく混んでいる様子。
無理もないでしょう、三連休の初日であり、新穂高温泉にあれだけの登山者の路駐があったということはそのうちの何割かがここを目指してやってくるのだから。
念の為に小屋の人に混み具合を訊いてみたところ、答えは案の定
「布団1枚に2人でご案内しています。」
と。
そこで考えました。
①今回の目的地は高天原。
②一日目どこまで進んだかで翌日以降の行動が楽なものにも大変なものにもなりうる。
③ひとつ先の三俣まではここから2時間ちょっと。今からならまだ間に合う。
あまりいい小屋でないがそこまで行っておけば明日はかなり行程が楽になる。
④もしかしたら三俣山荘も混雑しているかもしれないが、同じ条件なら先に行こう。
⑤双六小屋は帰りも寄れるじゃないか。
10分以上悩みましたが、最終的には⑤が効いて三俣山荘を目指すことにしました。
そうなればもう一度エンジン(気合)を入れ直さなければなりませんが、一度は双六でこの日の行程を終えるつもりだったわけです。
気持ちはすっかり抜けてしまっていました。
その影響をまともに受け、ここからの道のりはかなり過酷なものとなったのでした。
険しい道でもないのに足がなかなか前へ進まず、途中何度も座り込みました。
ガスが晴れ、壮大な鷲羽岳がくっきりと
アップダウンはあれど歩きやすい巻き道ルート
しかしこの日はとんでもなく過酷なものに思えた
三俣蓮華岳山頂への分岐
三俣山荘まではあと約30分
あたかも羽ばたく鷲が導いてくれるかの如く聳える鷲羽岳
17時前、ふらふらの状態で何とか三俣山荘に到着しました。
来るのは1年ぶり、泊まるのは5年ぶりです。
宿泊手続きをすると、覚悟していたあのセリフが伝えられました。
「本日は混雑しているので、布団一枚のスペースに二人の割り当てとなります。」
と。
ああ、もうなんでもいい。
とにかく疲れて横になりたかった。
案内された布団の場所に行き、夕食時刻まで横になりました。
「三俣山荘で食事は期待することなかれ」
これは5年前に心得ていたので、今回はとりわけ驚きもしませんしそれも覚悟の上での宿泊です。
しっかしねぇ、あのお代わりもできない出てきた時から冷めたシチュー。
味はともかく腹は膨らせたいものです。いくらご飯はおかわりできますとは言っても、ご飯だけでは限度がありましょう。
夕食後は特にすることもなければ起きている気力もなかったので、早々と就寝。
そこであることに気付きました。
「布団一枚につき二人のはずなのに、横には誰も来ないし荷物もない。」
つまり、結果的に遅く小屋に入ったことが幸いしたのです。
小屋は混雑を見越して布団一枚に二人という割り当てをしたけれど、若干余裕が出た。
恐らく私の後は誰も宿泊手続きに来なかったので、運良く横が空いたのでしょう。
行程的に随分無理をした一日目。
まともに布団一枚分スペースが割り当てられたことは大変ありがたかったです。